年老いた医師が居る病院で診察した時

私が高校生の頃、なんとなく胸が痛くなり親に言うと、「お父さんが心臓病だし、お父さんの家系はみんな心臓病だから、あんたもその血を引いているので危ないわ。ちゃんと調べてもらわなきゃ」などと脅かしてきました。

私の母はとにかくおおげさで心配性なので、ちょっとした風邪でも、疲れかくる頭痛でも、大病のように騒ぎ、余計こちらが具合が悪くさせられます。

その時父も「心配だから診てもらったら」と言うし、「女の人は肋間神経痛がわりと多いからそうかもしれなけど、とりあえず診てもらえ。」ということで、学校を休んでまで近所の総合病院に行きました。

わりと昔からある病院で、建物自体もその当時けっこう古かったです。

評判はというと、ちょっとした風邪ぐらいなら問題ないかなぁで。私ももし大きな病気なら、違う病院行くからとりあえずここの病院でいいやぁで、診察に行ったんです。

古い建物でしたし、その日雨が降っていたので、中が電気がついていてもちょっと暗めです。

内科の前で待っていると診察室から呼ばれたので入りました。見たら目の前に白衣を着たおじいちゃん医師と、ベテランそうな看護師さんでした。

おじいちゃんの医師にびっくりしたのですが、「はいここに腰かけてください。」と促されたので、一応座っておじいちゃん医師を見つめました。

「今日はどうされました?」とおじいちゃん医師。説明をしていたのですが、いきなり聴診器を口の前に持ってこられて、びっくりしてだまっていると、すかさずそばの看護師さんが「先生ね、お年だから耳が遠いのよ、なるべく大きな声とあとゆっくりお話ししてもらえますか?」と助け舟をだしてくれました。

聴診器を口の前にして、用はマイクがわりです。

しょうがないから話を続けていき、自分の父が心臓病なのでと言うおうと、「父がし」といいかけたところ「えっ、死んだ?」といきなり私の父は死んだことになり、あわてて「いえ、生きてます。心臓病なんです。」と、説明したら「ああそう」ですって。

大丈夫かなぁ、このおじいちゃん先生が診てもらったほうがいいんじゃないのと内心思ったのですが、一応聴診器を胸にあてて(本来の聴診器の使い方です。「肋間神経痛だね、大丈夫、大丈夫。」で終わりました。

なんでもないのは確かの良かったのですが、ドリフのコントで「もしも、こんな医者がいたら」シリーズみたいだったなぁと、おかしくもありましたし、なんか不思議な世界に入った気分でした。

まだまだ、高齢でも現役でがんばっていらっしゃるのが、高校生ながらすごいなぁと感心したものでした。

だた聴診器を口の前に持ってこられて話すのは、後にも先にもあの時が最後です。

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