医療事務員でも人の死に立ち会うことは避けられない

医療事務の仕事をしていると「死」ということは無関係と思われがちです。
「死」というのは瀕死の患者様や長く入院されて余命いくばくもない患者様に関係します。
医師やナースが直接的に関わることと思っていませんか?

でも医療事務員はどこで働いているのでしょうか?
そこは「病院」です。
いつ、どこで、患者様が急変するかわからないところにいるのです。

病院内をのんびりお散歩している患者様が急に発作を起こして外来ロビーで倒れられてナースの手が足りなければ事務員も手伝ってストレッチャーを運ぶ。
患者様をストレッチャーに乗せて救命室に運ぶ。
医師やナースが心臓マッサージを行う横で家族に連絡を取ったりできることは手伝う。
処置の甲斐なく旅立たれた患者様の家族が到着すればそのご案内もするのが事務員。
葬儀屋が到着して、車をどこにつけるか指示するのも事務員。

外来診療にて少し調子が悪いと点滴治療をしていた患者様。
点滴を終えて起き上がり、タクシー呼んで帰ろうかな、なんてたわいもない会話をしていたその瞬間、倒れられた。
いくら名前を呼んでも意識が戻らない。
心肺蘇生の甲斐虚しく、そのまま逝かれてしまわれた。

これが病院で働くこと。
医療事務は…と明るいCMからは想像もつかないような現実があります。

ある場所で死を迎えてしまった患者様の警察からの問い合わせ。
既往歴や現在行われていた治療内容。
そんな警察からの問い合わせも医療事務員の仕事です。

事務員だから「人の死」に触れることはないと思うことは間違っています。
遺族が入院費の清算をすることもあります。
そのときにはそれなりの対応をしなければなりません。

私は私の働く病院で母親が逝った。
だから遺族の気持ちがわかるつもりです。
遺族が清算に来た時にはそのときの気持ちに戻って対応するようにしています。
母親が逝ってから10年経った今でもそれは変わりません。

医療事務員でも病院で働く者として「死」は他人事ではない。
いつどこで直面するか。
いつも構えているわけではないが、そんな現実も知っていてほしいと思います。

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